2015年10月20日

海外大学(院)出願用エッセイの書き方

Wordvice

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

本日は、海外大学・大学院・MBAなどへの留学を考えている方にとって最も重要な書類となる「エッセイ」の出題傾向と基本的な書き方について解説した記事です。海外留学において志望動機や受験生の人となり、キャリア、学問的関心を見るために様々な名前で出題されているのがエッセイです。

アドミッションエッセイは、アメリカの学部留学では共通出願システムのコモンアプリケーションエッセイが有名ですし、大学院ではSOP・Personal Statement、海外就職の際はモチベーションレターなどと呼ばれ様々な出題やテーマ指定がされていますが、究極のところ問われているのは「受験生・志望者の成長過程や考え方」で共通しています。

海外大学・大学院入試でのエッセイの重要性

大学・大学院進学のために提出が求められる資料と言えば、

  1. 成績と指定の試験スコア、学生活動記録
  2. 英文エッセイ
  3. 推薦状

この3つを挙げることができます。日本の入試制度に慣れていると、ついつい成績に比べてエッセイの重要性を見逃しがちですが、admission essayは合否において大変大きな比重を占める要素です。

海外大学入試においてエッセイが重要な理由は主に下記のような理由があります。

  • 同じようなスペックを持った学生の中から自分を差別化できる

GPAや試験点数などの数値化された成績は、トップ校になればなるほど足きり程度の意味しか持ちません。最終的な人的評価を含め合否を決めるのはエッセイです。

  • スコアやレジュメだけでは表現しきれない「具体的かつ詳細な事実」をアピールできる

成績と学校での記録だけを見て、大学が学生に要求する思考力や能力、成熟度を把握するのは入学審査員にとっても難しいことです。印象的な入学エッセイを作成できれば、審査員が学生に対して関心を持つ確率がぐっと高まります。

  • 審査委員会はエッセイの審査に最も多くの時間を割いている

前項にて述べたように、成績と生活記録は受験生を振り落とすためにコンピュータ入力されるだけで、それ以上深く分析されることはありません。入学審査員が一つ一つ時間を割いて審査しなければならない部分がまさにエッセイと言えます。結局のところ最終的な合否の決定は人により行われるため、エッセイに大きな比重が置かれるしかないのです。

Admission essay の出題傾向

アドミッションエッセイのテーマは大学や出願制度によっても異なりますが、3つに大別することができます。各テーマによってエッセイの構想・執筆方法の戦略も異なります。

  • Describe yourself – 自分について説明するエッセイ

最も代表的なエッセイテーマの一つです。Common Applicationシステムを通して米国の各大学に一括で提出することとなるメインエッセイのテーマはすべてこのタイプと言え、MBAなど大学院に進学するためのエッセイでも“Describe yourself”と関連したテーマが多く見受けられます。自分とはどんな人間か?という漠然とした問題は、困難を克服した経験、最も記憶に残っている出来事、チームワークでの葛藤など受験生それぞれの多彩な経験からその答えが見えてくるものです。成長過程で価値観に大きな影響を及ぼした経験を取り上げるような出題がこのパターンに属します。

例: Discuss an accomplishment or event, formal or informal, that marked your transition from childhood to adulthood within your culture, community, or family. – Common Application テーマ

  • Why this school? – その学校に入学したい理由

このタイプのテーマはmain essayに続いて各学校にて要求される補助エッセイのテーマとしてよく出題されます。それぞれの大学に進学したい具体的な理由を述べ、入学後の学業計画についても説明するのが一般的です。

例: Describe your career progress to date and your future short-term and long-term career goals. How do you expect a Wharton MBA to help you achieve these goals, and why is now the best time for you to join our program? – Wharton MBA 出願エッセイ

  • Discuss an issue – 特定のテーマを通じて知的好奇心と可能性をアピール

このタイプもやはりmain essayよりはサブエッセイとして出題されやすいテーマです。受験生自身の個性を問うメインエッセイに対し、学業的な優秀性をよりアピールすることのできるエッセイです。

例: U.Chicago professor W. J. T. Mitchell entitled his 2005 book What Do Pictures Want? Describe a picture, and explore what it wants. – University of Chicago 出願エッセイ

“Discuss an issue” タイプのエッセイ作成方法

与えられたテーマで自分の強みをアピールすること

哲学を専攻する学生が“Describe a picture, and explore what it wants.”というテーマでエッセイを書くために、わざわざ美術の知識を付ける必要があるでしょうか?自らの学業的優秀さを強調するためにはエッセイのテーマを自分の専攻、関心分野、学業成果などと関連付けて解釈しなくてはなりません。どんな科目(もしくはテーマ)に対するエッセイにするか決めた後、それに応じてアウトラインを作成します。アウトラインとは文章を書く前に内容を論理的な上下関係にならって整理したものです。一つの段落についてのアウトラインを作成するなら、段落の主旨となる文章、その文章を裏付ける説明、その説明に対する説明という3つの段階に分けて内容をあらかじめ整理しておくことができます。

具体的であるほど良い – 詳細内容を追加しよう。

抽象的な文章では、特定分野に対する深い知識をアピールできません。アウトラインを完成させた後、具体的な情報が必要な部分はないかもう一度見直してみましょう。

エッセイは答えを要求するものではない。堅苦しい内容にせず、興味を持てる内容を入れること。

海外留学用のエッセイは受験生の知性を試すものではあっても、決まった答えを導き出すことを目的としたものではありません。むしろエッセイに自分が普段から持っていた奇抜なアイデアや好奇心を素直に表現することで、あなたが学ぼうとする分野についてどれほどの情熱と好奇心を持っているのか効果的にアピールできることもあります。完成したアウトラインが問題に対する模範解答のように感じられたら、読み手と自分がもっと興味を引かれるような内容はないか再度検討してみましょう。

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