2023年02月21日

英語論文の書き方の基本(2/3)

Wordvice

こんにちは、英文校正ワードバイスです。

今回の記事は、前回に引き続き英語科学論文の作成法を解説していきます。本日は全体の2番目として、論文の序論(Introduction)、研究方法(Methods)、結論(Results)、議論(Discussion)部分の作成方法についてです。

Introduction


イントロダクションは読者に論文を紹介する章として、特にその書き始めは非常に重要な意味を持ちます。しかしこの入りの文章で見られる最も多いミスが、該当分野での先行研究の結果について言及せずに、論文の著者と研究分野に対する一般的な情報のみを羅列して終わってしまうことです。

例えば、

“Parmenter (1976) and Chessman (1978) studied the diet of Chelodina longicollis at various latitudes and Legler (1978) and Chessman (1983) conducted a similar study on Chelodina expansa”

上の文章は先行研究に対するごく一般的な情報の記載で終わってしまっています。また、下記の文章では、その論文にて行った研究の意義についてもきちんと触れることができています。

“Within the confines of carnivory, Chelodina expansa is a selective and specialized predator feeding upon highly motile prey such as decapod crustaceans, aquatic bugs and small fish (Legler, 1978; Chessman, 1984), whereas C. longicollis is reported to have a diverse and opportunistic diet (Parmenter, 1976; Chessman, 1984)”.

序論では論文のscopeやobjectivesについて明確に言及し、problemとsolution間の関係性についてもはっきりと説明しなくてはなりません。

つまり、序論ではWhat is the problem? Why is it important? What solution do you propose?が問われています。

Methods


序論が論文全体に対する概略的な情報を扱う章としたら、Materials and Methodsは「どんな研究を、どうやって行ったのか」について具体的に記述する章と言えます。

How did you study the problem?
どんな研究方法を使用したのか?

What did you see?
どんな materials, subjects, equipmentを使用したのか?

How did you proceed?
どのようなプロセスで研究が行われたのか?

研究方法について執筆する際には、読者がその記述を読んだだけでも研究をそのまま再現できるほど詳細に作成されているかということを常に意識するようにしましょう。また、方法論は本人が実際に行った研究についての記述であるため、過去形の使用が適しています。concentrations, amounts, times, temperaturesのように定量化して表現することができる部分は定量化して記述する必要がありますが、この時一般的な計算方法や単位については特に別途言及する必要はありません。そして最も注意すべきは、実験のプロセスと結果は別途のものとして作成するということです。方法部分では、研究結果について言及しません。

Results


研究を通して発見したことや実験結果について説明するセクションです。必要に応じて図表やグラフを使用しながら、分かりやすく記述することを心がけましょう。

例えば、

“It is clearly evident from Fig. 1 that bird species richness increased with habitat complexity”.

この文章は下のように修正することでより文意が明確になります。

“Bird species richness increased with habitat complexity (Fig. 1)”.

What did you observe?
研究・調査から得た主な結果についてまずは1~2文で簡潔に述べます。

実験結果が複数になる場合は、最も重要なものから順に記載するのがルールです。また、実験結果についての記述では必ず過去形を使用し、table dataはそのまま使用せず、論文の主旨から見て最も重要な部分のみを取捨選択して掲載します。ここでは実験結果に対する考察はせず、下のように不必要な単語は省略します。

It is shown in Table 1 that X induced Y” –> “X induced Y (Table 1).

Discussion


Discussionセクションでは実験結果についての考察を記述します。例えば、研究からどのような公式が成立したのか、一般化できる結論は何か、過去の研究との差別点はどこか、その研究にはどのような意義があるのかということについて記述します。このセクションでは研究の目的と結果の重要性について述べる必要があり、読者がこの部分を読んで「だから何?」という感想を持つような内容では不十分です。

What do your observations mean?
主要な結果を要約して記述します。

What conclusions can you draw?
それぞれの結果について patterns, principles, relationshipsを説明し、それが序論や文献検討で予測した結果とどのような関係性を持つのか述べます。研究を通して発見した結果が既存の研究結果と矛盾していたり例外であったりした場合には、追加でどのような研究をすればその問題点を解決できるかということについて作成しても良いでしょう。

How do your results fit into a broader context?
研究結果の理論的意味と重要性に触れながら、その結果をどのようにしてより大きな研究問題に適用していけるのか述べます。

Discussionは、具体的な研究結果から始まり、そこから考えられる理論やより広い範囲への適用について説明していく方式で作成することがポイントです。導入部で触れた該当分野における主要なイシューについても必ず再度触れなくてはなりません。研究から得た結論については十分な証拠を提示し、予測できなかった結果については、その理由として考えられる事項にも言及しましょう。

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