【動画】ターゲットジャーナルを選ぶためのポイント8つ

動画レクチャー

論文に合ったジャーナルを見つける

当社リソースでも何度も強調しているように、論文がリジェクトされてしまう最も大きな理由が、論文に合わないジャーナルに論文を投稿してしまっているパターンです。

「論文がジャーナルに合っていない」と一口に言っても、「何が合っていないのか」を考えてみると、そこには様々な要素があることが分かります。論文の内容がジャーナルが扱う専門分野と合致していない場合や、ジャーナルが要求する形式の規定に合致していない場合は分かりやすく審査の対象外とされてしまいますが、もっと判定しにくいジャーナルの好みや傾向もあります。ターゲット読者としてどの層を設定しているのか、どの程度の自由度を許容しているのかといった部分は、掲載論文をたくさん読み込むことで初めて見えてくるものです。

世界中に現在30,000件ほどの査読付きジャーナルがあることを考えれば、分野によって数が絞られるとは言えども、論文に本当に合ったジャーナルを選ぶことがどれだけ難しいかということが分かるでしょう。

このような理由で、論文を適切なジャーナルに投稿できていないがために、リジェクトの結果を受け取ってしまう研究者が実際に多くいます。しかし、これを逆手に取れば、ジャーナルの特徴やその査読・掲載プロセスに対して深い知識があるだけでも、論文の受理率を向上させられるということでもあります。

本日は、適切なジャーナルを選ぶための方法を一つ一つ確認していきましょう。

ジャーナル選びの「特効薬」

人工知能が次々実用化されていく昨今、論文内容を認識し、膨大な数のジャーナルの中からその論文に最も適したジャーナルを選んでくれるツールは、実際に多数発表されています。しかし、それらのツールは既に完成した論文の情報から自動的に適したジャーナルを推薦してくれはするものの、それ以上のことはできません。

それらのツールを利用する際にも覚えておくべきことがあります。それは、ジャーナル出版もビジネスだということです。もちろんジャーナルシステムは、査読というプロセスを管理し、上質な科学的知識を集約・拡散することで学術界の中心を成す貢献をしていることに変わりはありませんが、ジャーナルも商業的に運営されているものである限り、毎回出版するジャーナルにどのような論文を掲載するかという決定には、ビジネスの観点からの評価ももちろん含まれます。昨今の激しいジャーナル間の競争に勝つためには、どのジャーナルも読者の興味を引くことのできる論文をいち早く掲載することに心血を注いでいるのです。

したがって、ジャーナルへの論文掲載をつかみ取るには、学術的な貢献、そしてビジネスとしての貢献のどちらも満たす必要があるということが分かります。論文執筆とジャーナル投稿における時間と努力を節約するためには、論文が読者とジャーナルにどのような貢献ができるかということを明確に把握するのがカギと言えます。

ターゲットジャーナルの「Goals and Scope」を知る

1. ジャーナルの“About Us”と“Guide for Authors”を熟読する

ジャーナルのgoals and scopeを見ると、ジャーナルが学術界にどのような分野におけるどのような貢献を果たしたいと考えているのか、そのためにどのような論文を掲載するか把握することができます。ジャーナルの特徴やビジョンは主にウェブサイトの“About Us”、”Author Guidelines”の二つのセクション、そして“Guide for Authors”に掲載されていることがほとんどです。これらのセクションをよく読むと、ジャーナルがどのようなタイプの論文を求めているのか、逆にどのような論文は掲載しないのか知ることができます。ジャーナルによっては具体的にどのような研究タイプを好むのか説明している場合もあります。ターゲットジャーナルを絞り込むときには、これらの3つのセクションをまずは徹底的に調べてみることが重要です。

2. ターゲットジャーナルの掲載論文をよく読む

研究や論文執筆を進める中で様々なジャーナルの掲載論文を読み込むと思いますが、その際にその論文が掲載されたジャーナルにも意識を留め、どのような特徴があるのか意識することが重要です。ジャーナルの規定を既に読んでいても、実際の掲載論文でどのようにそれが反映されているのか、また、エディターが実際にどのような論文を“novel”,“interesting”,“sufficient conceptual advancement”と評価しているのかは実際に論文を読んでみることで初めて分かります。

3. 自分の論文と内容が類似した論文を掲載しているジャーナルをチェックする

単純に自分の論文と似た内容の論文を多く掲載しているジャーナルをターゲットジャーナルとして選定するのは効率的です。例えば、研究人口の多くない特殊な分野について扱っている場合などは、大衆的なジャーナルに投稿するよりもその分野に特化したジャーナルに投稿する方が、結果的にターゲットとする読者に効率よく情報を届けることができます。論文がどれだけ多くの人の目に触れるかという量的な観点からも影響力を判断することはできますが、その分野で高い専門性を持つ読者から、重要な論文としての評価を受けるという質的な観点も重要です。

4. ジャーナルのインパクトファクターを確認

ジャーナルの価値はインパクトファクターだけで測れるものではありませんが、論文投稿を考える上で決して無視できないのがIFです。直近二年間の掲載論文数と対象年度の引用数により算出されるインパクトファクターは、そのジャーナルに掲載されている論文は、平均的にどれほど他の論文の中で引用されているのかということを見せる数値であり、ジャーナルの影響力を代弁しています。もちろんインパクトファクターの高いジャーナルは魅力的で、そこに自分の論文を投稿して脚光を浴びるのは誰もが目指すところですが、よくニュースや一般の人々の話題にものぼるような影響力の高いジャーナルは、他のジャーナルとは比較にならないほど掲載の競争率が高いということも意味しています。時間と費用をかけて、そのようないわば「難関」ジャーナルに挑むだけの意義があるか、ダメ元とは言っても、リジェクトされたら次の手立てはどうするかということをよく考える必要があります。

Impact Factor Graphic

ターゲットジャーナルの審査・掲載方式、掲載までのプロセスを確認

5. 論文掲載までのプロセスを調べる

出版までのプロセスの重要な確認事項の一つです。チェックリストを作ってそれに自分の投稿しようとする論文が適応できるか考えてみましょう。具体的には以下のような事項です。

  • 査読方式(オープン・ブラインド…)
  • 審査において最も重要視される事柄
  • 査読では研究の重要性の他に技術的側面についてもレビューされるか
  • 審査に要する時間(おおむね2週間~数か月、それだけの期間待つことができるか)

6. ジャーナルの出版方法(公開範囲)を調べる

論文がどのような形で掲載されるのかということも非常に重要です。投稿費用や影響力など様々な要素を考えあわせながら、オープンアクセス・クローズドアクセスのどちらが有利なのか検討する必要があります。

7. ジャーナル選びのツールを使用する

最終決定までツールだけに頼ってしまうのはもちろん危険ですが、ターゲットを絞り込む段階ではジャーナル選定ツールを使用してみるのも便利です。Elsevier Journal FinderJournal/Author Name Estimator (JANE), Springer Journal Suggester のようなツールが一般的です。また、オープンアクセスを希望する場合は、別途のオプションとしてジャーナルごとに規定している場合がほとんどなので気を付けましょう。

8. ターゲットジャーナルの投稿規定に合わせて論文を書く

ターゲットジャーナルに合わせて既に書きあがった論文に修正を加える場合、見逃してしまう部分が発生しやすいのは事実です。これを防ぐためには、論文執筆の早い段階でターゲットジャーナルを決めておき、初めからそれに合わせて論文を執筆する方が良いでしょう。この場合、フォーマット面だけでなくジャーナルの目的やテーマも意識し、構成の段階から論文をジャーナルの正確に合わせて書き進めていくのが重要です。一つの実験や発見事項を扱う論文であっても、どのような面に重点を置いて構成していくかによって、内容は読者が受ける印象は変わります。

例えば、実用への適用性を重視するジャーナルにその分野でまだ一般的に認知されていない手法や理論を紹介する場合には、実用にどのように適用できるのか、具体的かつ丁寧に説明することが必要です。

ターゲット読者を常に意識すること

前述したように、読者がいて成り立つジャーナルである以上、論文を投稿する上でもその読者像を常に意識して論文を執筆・投稿することが重要です。読者が論文を読んだときに、どのような点に興味を感じるか、どのような点を自分の研究に活かすことができると考えるか想像してみましょう。読者像を具体的に想定するのも重要ですが、いつの間にか執筆者にしか理解できない不親切な内容になっていないか注意しなければなりません。研究に初めて接する読者でも理解できるように順序立てて執筆します。

Elsevierによるジャーナル選びのコツ

  • “invitation”型のジャーナルではないか確認すること
    一部のジャーナルでは「招待」を送った著者の論文のみを受け付けるため
  • 同時に投稿できるのは1つのジャーナルのみであることに注意すること
  • ジャーナルについてよく調べ、レビュー方法や掲載までのスケジュールを把握すること

参考資料&役立つツール

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