【動画】論文での文献レビュー(Literature review)セクションの書き方

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こんにちは!英文校正ワードバイスです。

研究論文のliterature reviewは、関連分野での先行研究や参考文献について明確で客観的、そしてクリティカルな要約を述べることがセクションの意義と言うことができます。文献研究セクションの書き方については以前の記事でも説明していますが、今回はKevinの動画レクチャーとともに、より詳しい書き方を確認してみましょう。

過去記事

文献レビューでやってはいけないこと

  • 論文内で言及しているすべての資料の出処を正確に記述していない → 剽窃・盗用として研究倫理違反
  • 研究に直接的に関連のない情報や先行研究を大量に引用している → 論文のメインテーマから読者の注意が逸れる
  • “A number of scholars have studied the relationship between X and Y”などの決まり文句で始まり、論文の著者と結論をただ羅列している → 論文の筋書を展開させるためにならない

文献レビューで守るべきこと

  • 引用する記事や文献同士の関係性に注目し、グループ分けして説明することで、分野で未解決の問題や、論文が投げかけようとする新しい疑問について、読者が論理的に理解できるようにする
  • 引用する文献から、自分の研究と最も関連性の高い部分や重要な情報に絞って要約する
  • 同分野で誰によってどのような試みがなされ、どのようなことが分かっているのか、また現在どのような矛盾や問題、見解の相違が起きているのか明確にする
  • 読者にバックグラウンド情報を提供しながら、先行研究の中で特に重要なものや、逆にエラーが認められるものについて紹介する

Building Your Literature Review Bookshelf

文献レビューを書く際には、本棚を組み立てるところを想像してみましょう。現在本棚を作るときには、木を切るところから始める必要はありません。つまり、既に他の研究者が木を切りやすりをかけて仕上げた部品を組み立て、本(あなた自身の研究方法や実験結果、結論など)を収納するための本棚を作ります。

bookshelf

文献レビューの内容

literature reviewの内容は分野や扱う理論、全体の論文の長さなどの影響も受けるため様々ですが、いくつか構成する要素を挙げることができます。

  • 研究の歴史的バックグラウンド

    分野において重要な研究や、最新の研究結果や動向を要約することは、読者にとって研究を理解する基本的な情報となるとともに、ジャーナルエディターや査読者に、研究者が理論的な議論を行うために十分な歴史的背景や、最新の研究動向について把握していることをアピールできます。

  • 今現在その研究を取り巻く動向

    分野で中心的な、または研究と関連の深い問題やイシュー、議論を紹介します。学問は絶えずアップデートされていくため、研究を取り巻く環境や研究の進展状況、トレンドなどを説明しながら、その中で自分の研究がどのように位置づけられるのか示すのは重要です。

  • 研究の基礎となる理論や概念

    例えば、生態学的な環境と人口の関係性をテーマとする研究では、その関連性に関するモデルや理論を説明することで、研究の位置づけを明らかにします。例えば持続可能性にフォーカスした研究であれば、この概念を支える理論やモデルを紹介し、侵入生物種に関する研究であれば、その方向性に合った情報に絞って紹介します。

  • 用語の紹介と定義

    自然科学分野の専門用語は基本的に一定で直接的ですが、解釈に誤解や混同の余地があるような用語を使用する場合は、IntroductionセクションやLiterature Reviewで定義します。

  • 関連する先行研究を紹介し、自分の研究が既存知識をどのように発展させ、どのような概念に挑戦し、また既存知識の溝を埋めようとするのか説明

    既に分かっていること・分かっていないことを明らかにするのが文献レビューセクションです。

  • 研究に関わる実際的な問題やイシュー

    関連する研究のうち重要と位置付けられている研究結果や問題を挙げることで、研究テーマの重要性を裏付けることができます。

文献レビューのタイプ

研究の形式により、文献レビューの形式にも特徴があります。文献を選択的(論文と関連する資料に狭く絞り込んで紹介)に扱うか、包括的(関連する研究を広く紹介)に扱うか、その傾向をグラフにまとめてみました。

Types of Research Papers

  • course assignment(授業の課題)のようなタイプは、限定的な文献を扱い、なお独立的な研究と言える典型的な例です。文献の中でも狭い範囲に絞りこみ、場合によっては一つの文献の内容が論文全体を構成することもあります。
  • 卒業論文でのliterature reviewは分量も多いため、関連する研究や知識について包括的に扱う傾向があります。
  • 特定のジャーナル論文の場合、限定的な文献レビューで研究の背景を提供し、広い分野における一部を扱うことを明確にする特徴があります。(Introduction部分で文献引用が使用されることもある。)
  • 文献レビューによっては、包括的に広い分野の文献を扱いながら、それが単独の研究となる場合もあります。あるトピックに関わる文献研究などの場合です。

ジャーナル論文で見られる文献レビュー

ジャーナル掲載論文の文献レビューは主に先行研究として研究論文 (論文や統計調査など) を使用するか、あるいは文献レビュー自体がメインになる文献研究の二つのパターンが見られます。両者は着眼点や目的、論文自体の長さにおいて異なる特徴を持ちます。

先行研究を紹介する文献レビュー

ジャーナル論文の場合、論文のイントロダクションの後ろの方で先行研究を紹介する形式をとることがよく見られます。これは研究に直接的なかかわりを持つ特定の狭い範囲の研究や理論について紹介することを目的としているため、単独の文献レビューセクションとなる場合よりも短くなります。このような場合の文献レビューの役割は研究で扱う理論や手法、研究結果や結論への理解の基礎を提供する点にあります。

Journal Lit Review

文献レビューの構造

文献レビューが単独のセクションを持たずイントロダクションの一部として扱われる場合、イントロダクションそのものの構造に準拠することとなり、一般的な情報から専門的な情報へと移り変わるような順番で展開させ、最後に研究仮説に論理的につながるような形になります。イントロダクションの一部として文献レビューがあるというよりも、イントロダクションの内容に文献レビューが溶け込んだような構造を持つことも多くあります。どのような場合でも、文献(先行研究)とはその研究を理解するための背景情報や分野での研究動向を示すために使用されます。

独立した研究となる文献レビュー

文献研究はそれだけで一つの研究となることもあります。一つのトピックに関する過去の重要な研究結果や文献資料を分析することで、分野の研究動向を俯瞰的に考察することができます。このような文献研究は、研究者にとっては分野での重要な背景知識や先行研究の結果、研究トレンドを知ることができる大変有効な資料とも言うことができます。

これらの文献研究では、通常の研究論文よりも、ある特定の理論や手法などといった狭い部分にフォーカスしながら時間的・分野的により幅広い論文を分析対象とすることができるため、高度に理論的な内容となることが多いのも特徴です。さらに、文献を中心とするだけに当然かもしれませんが、文献研究型の論文は、イントロダクションよりも文献自体のレビュー部分が遥かに長くなります。文献レビューの終わりには、扱った文献について総合的に分析しながら、文献研究論文としての意義を説明するフレーズがよく使用されます。

Stand-alone review

文献レビューの段階別の書き方

それでは、分かりやすい文献レビューを効率的に書くには、どうすればいいのでしょうか。

論文は最初から最後まで直線的に書き上げてしまえたら良いのですが、そうはいきません。他のセクションを書くうちに、文献レビューセクションの内容を補完したり削ったり、あるいは全体の流れが近いしやすいように書き直したりする作業が必要になります。論文の書くセクションの内容を一つの論理的な筋書に乗って展開させるためには、セクションを行ったり来たりしながら全体の論理的な流れを整える作業が必要です。

Step 1: 何をトピックにするか決める – メインテーマを絞り、発展させる

まずは興味があって分析したいテーマを決めます。これはもちろん読者や同分野の研究者にとっても興味深く役に立つものであり、なおかつそのトピックに関する研究が今の時点である程度量的・質的に確立されているものを選びます。まずは代表的な研究がないと、レビューするのも難しいからです。

Step 2: 研究内容に関連すると思われるすべての文献・資料・情報を集める

論文や書籍、会議、学会誌、卒業論文などすべての学術資料を集めます。

Step 3: 重要な先行研究での結果と、さらにそれに関連する情報を集める

図表などを使用しながら、それぞれの情報同士の関連性に注目しながら整理していき、その中から重要なカテゴリを見つけます。情報の中から論文で紹介するに値する最も有用なものを取り上げましょう。

Step 4: 自分の研究に関連する情報に絞り、重要と思われる部分を要約して取り出す

文献の中から論文全体の長さを考慮して2-3つの重要な概念を見つけ、自分の論文にとって重要な点をメモしておきます。例えば参考文献でキーとなる概念がX、Y、 Zの3つであるとき、その3つの概念それぞれに注目して、文献を短い要約にまとめます。研究論文の場合このような記述は非常に短いのがほとんどですが、独立した文献研究などの場合はより詳細に記述されます。

Step 5: これらの概念が、研究を通して明らかにしようとすることとどのように関連するのか、また論文で述べるトピックとどのような関連性を持つのか述べる

文献レビューがIntroductionの一部となる場合、それぞれの文献で使用している方法や結果と自分の研究を対照させながら述べるような形になりやすいですが、単独セクションとなる場合は、文献同士の関連からパターンを見つけたり、自分の研究で立てた仮説を先行研究が強化していることを見せるような内容になります。また、先行研究が明らかにしていない点を見つけ出して、それをついて述べるのは文献レビューでは不可欠です。特に、研究を通して得られた結果と直接的に関連を持つ理論や結果を提示している文献に関しては、ここで必ず紹介しておきます。

Step 6: 資料同士の関係性を明らかにし、そこに自分のアイデアを加える

5と似た段階ですが、文献同士の関係のみに注目するのではなく、それらの文献と自分の研究自体で扱う研究問題や概念との関係性に注目するようにします。資料から得た断片的な情報を整理しまとめたものを具体的に自分の研究と関連させて述べることで初めて、意義のあるまとまりとしての文献レビューが完成します。文献レビューでは、単に文献の紹介をするだけではなく、自分自身の考え方や研究の方向性を反映することが重要です。そうすることで、ただの名目上の先行研究レビューではなく、一つの筋書に沿って展開し、自分の研究そのものの背景や重要性を論理的に説明できる文献レビューセクションにすることができます。

上記のガイドラインに加え、とにかく多くの文献を読むことで、それらの多くの情報から自分の論文を展開させるうえで本当に必要な情報は何か見極められるようになることが重要です。

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