【動画】研究論文でのResult(結果)セクションの書き方

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こんにちは!英文校正ワードバイスです。今回は、研究論文の結果セクションの書き方について解説した記事です。

Resultsセクションとは

研究論文のResultsセクションは、研究方法で記述した方法を使って実際に行った研究から得られた主要な結果について簡潔に述べるセクションです。研究結果に対する個人的なバイアスや研究者の見解とは無関係に客観的な事実を記述し、ConclusionやDiscussionでの分析や評価の根拠となるデータを提示するセクションともいうことができます。結果セクションの主な目的は、リサーチクエスチョンの重要性をデータを通して示すところにあります。

結果セクションは、一般的な研究論文において、全体の3つ目のセクション(I-M-R-D)となりますが、ジャーナルによっては結果と考察を一つのセクションとして作成するように規定しているものもあります。どちらの場合もこのセクションの目的は、「研究から何が分かったのか?」をいうことを分かりやすく示すところにあります。

結果セクションに書く内容

結果セクションは、自分が実際に行った研究から分かったことだけを書きます。

  • 図表、グラフとして整理したデータ
  • データから読み取れることをテキストで説明
  • データやサンプル収集の結果、参加者、被験者に関する報告
  • メインのリサーチクエスチョンに関するデータ
  • 二次的所見 (secondary outcomes, subgroup analysesなど)

研究自体のスケールが大きく、複数の変数を扱っているような場合や、幅広い結果を生むような方法を使用している場合は、Introductionで提示したリサーチクエスチョンに最も重要な関連を持つ結果に絞って記述します。得られたデータをすべて並べ立ててしまうと、研究でフォーカスしたい部分が分かりにくくなってしまうからです。

基本的に結果セクションには、純粋に研究から得た発見事項や実験結果について記述するこということを覚えておきましょう。結果と考察を同一セクションとする規定がない限り、結果セクションで先行研究を参照したり、実験結果に対する分析を行ったり、研究結果の適用性などについて述べたりしてはいけません。

結果セクションの内容構成

結果セクションでは、研究結果に対する分析ではなく、観察できた事実だけを述べるとは言っても、ただ研究結果を無分別に羅列すればいいわけではありません。論理的な流れに沿って、まとめることが必要です。結果セクションを効果的にまとめる一つの方法としては、常にリサーチクエスチョンを中心に据え、その答えとなるデータを記述していくことです。

例を使って考えてみましょう。“What do hospital patients over age 55 think about postoperative care?”をテーマに、設問調査の方法を使用して研究を行ったとします。

例:“Figure 1: Attitudes towards postoperative care in patients over the age of 55.”

Postoperative care

まずは、リサーチクエスチョンと関連して最も重要な結果について説明していきます。ここでは、最初にグラフを用いて視覚的に設問の結果を表していますが、グラフ中には各選択肢の回答者数とリッカート尺度の選択項目が含まれていることが分かります。標準偏差や確率、行列など必要に応じて他の図表で示すこともできます。

続いて、設問調査の結果から読み取れる内容を、ポジティブ・ネガティブなどどちらか一方の回答結果を説明していきます。

例:“65% of patients over 55 responded positively to the question ‘Are you satisfied with your hospital’s postoperative care?’(Fig. 2) 

表やグラフから分かる結果をどの程度テキストとして説明するかは、読者がその図表や結果の重要性について無理なく理解するために、どれだけの解説する必要があるかという点を考えながら調整します。

さて、先ほどはポジティブな視点からの結果を言及しましたが、次はまた異なる立場(ネガティブ・中立など)の回答について説明しなければなりません。

例:“As Figure 1 shows, 15 out of 60 patients in Group A responded negatively to Question 2.”  

一つの表やグラフについての説明が無駄なく完了したら、次の設問に移ります。

例:“How does patient satisfaction correspond to in-hospital improvements made to postoperative care?”

T-table

このようなタイプのデータも表やグラフで表す方が適しています。(t検定の値など)

続いて、この表から読み取れることを簡潔に説明しましょう。

例:“The p-value between the before and after sets of patients was .03% (Fig. 2). The greater the dissatisfaction of patients, the more frequent the improvements to postoperative care.”

他の論文の結果セクションの例を見て見ましょう。この論文の序論セクションでは、研究目的を“determining the physiological and morphological responses of Allium cepta L. towards increased cadmium toxicity”、そして“evaluating its potential to accumulate the metal and its associated environmental consequences.” としていました。結果セクションでは実験によってこれらの研究目的がどのように達成されたのか、図表や内容分析で示す必要があります。

この論文の結果セクションでは、まず研究全体へのoverviewから始めています。

“Cadmium caused inhibition of roots and leaves elongation particularly with increasing effects at higher exposure doses (Fig. 1a-c).”

このデータを示す図表が括弧内に示されています。注意したいのは、ここで1つのFigureについて3つのグラフがある点です。データを3つのグラフに分けて示すことで、読者がより理解しやすくなる場合もありますが、特に分ける必要がないデータに複数のグラフを使用してしまうと、読者の誤解を招くとともに、スペースも浪費してしまいます。データの性格をよく考えましょう。

Data from multiple graphs can be placed into one figure to consolidate results.

全体の要約に続き、それと関連した詳細情報を追加していきます。

例: “Results on the bio-accumulations of cadmium were found to be the highest (17.5 mg kgG1) in the bulb, when the concentration of cadmium in the solution was 1×10G2 M and lowest (0.11 mg kgG1) in the leaves when the concentration was 1×10G3 M.”

図表のキャプションと本文内での参照

図表は結果セクションにおいてデータを示すために中心的な役割を果たします。そのため、図表のキャプションと本文中での言及の仕方は重要です。

図表の形式だけに限らず論文全体に言えることですが、まずは投稿予定のジャーナルが定める規則に従うことが重要です。図表の形式や数、サイズやレイアウトに関して規定がある場合は、必ず参照してから作成し、提出前の最終チェックの際にも必ず確認します。

どのような形式に従うにしろ、図表は「研究で得たデータを視覚的に分かりやすく提示する」ところに重点を置いて作成する必要があります。例えば、一つのリサーチクエスチョンに対して複数の変数を扱っている場合は、一つのグラフにまとめようとせずに、複数のグラフに分けた方が見やすくなります。また、本文中でも小見出しや段落分けを適切に使用して、データを視覚的に区分できるような工夫をすると良いでしょう。

図表のキャプションは、リサーチクエスチョンをフレーズに置き換えることを考えてみると分かりやすくなります。

例えば、“Which color did participants choose?” を問いとするとき、これをフレーズ形式に直してみると“Color choice by participant group.”といった具合に言い換えられます。

また、先ほどサンプルとして挙げた論文での問いは、“What is the concentration of cadmium in different parts of the onion after 14 days?” ですが、その図表のキャプションは以下のように設定することができるでしょう。

 例:“Fig. 1(a-c): Mean concentration of Cd determined in (a) Bulbs, (b) Leaves and (c) Roots of onion after 14 days period.” 

結果セクションの執筆ステップ

論文の特徴や分野、またはジャーナルによって、結果セクションの構成の仕方や最適なデータの提示方法は異なるため、すべての論文に当てはまるマニュアルを作ることはできませんが、以下に研究論文での結果セクションの書き方として最も基本的なステップを解説していますので、ご参考ください。

Step 1: ジャーナルが提供している著者のためのガイドラインを熟読し、既存の掲載論文(特に自分の論文と似ているもの)を読んでみる

  • 著者向けのガイドラインで定められている論文で守るべき体裁や必須事項を、掲載論文をサンプルとして確認してみましょう。
  • 論文全体やセクションに対する字数(分量)制限、セクション構成の規定に気を付けましょう。ResultsとDiscussionは分けて作成する場合、一つにまとめる場合など分野やジャーナルによって異なります。(質的研究では一つにまとめる場合がよく見られます)
  • ジャーナルの「aims and scope」を確認し、読者の関心分野やジャーナルの理念、方向性も確認しておきます。

Step 2: 1で確認した事項を元に、論文で紹介したい結果をリストアップしてみる

  • リサーチクエスチョンと関連して重要と思われる実験結果やその他の発見事項に絞り込みます。予想や仮説に反するデータであってももちろん考慮する必要があります。
  • 小見出しなどを利用しながら、発見事項をできるだけ簡潔にまとめることで、詳細すぎる背景情報など結果セクションに必要のない情報が入り込むのを防ぎます。専門家にとっては興味深い内容でも、一般読者にとっては長すぎたり分かりにくいと思われる内容は、別途メモしておきます。
  • 結果セクションをどのように構成するか決めましょう。例えば、論文のIntroductionやMethod部分でリサーチクエスチョン・仮説を表記した順番に沿って結果を記述するか、時系列的に記述するか、それとも重要な結果から順に紹介するか、など。他の掲載論文の傾向や読者、研究の特性などを考慮して最適なものを選びましょう。

Step 3: 図表やグラフを作成する

  • 図表やグラフは論文の本文で言及されている順で番号を振ります。
  • キャプションを上手に使用して図表中に含まれる情報はなるべく少なくし、データを最も効果的に示すことのできる形式を使用します。
  • 図表は研究の要点をはっきりと分かりやすく提示するために使用し、情報の繰り返しは避けます。しかし、図表を見ただけで分かる内容だからといってテキストでそれを完全に省くことはできません。

Step 4: 以上の内容を元に下書きを作成する

論文の目的は研究内容を明確かつ簡潔に示すことです。なるべく一文を短くし、簡潔でシンプルなフレーズを使用するように心がけましょう。

  • 最初の段落では、リサーチクエスチョンや研究課題を再度簡単に述べて、これから提示していくデータの目的を読者に想起させておきます。また、結果セクションの最後で重要な発見事項を要約し、続くDiscussionへと論理的な流れを持たせるのも良い方法です。
  • 結果セクションは基本的に終了したことについて述べるため、過去形を使用します。また、行為の主体も明らかである場合が多いため、能動態を意識的に使用して書いてみましょう。
  • 使用しようとする専門用語や略語がIntroductionでしっかりと定義されているか確認しましょう。

Step 5: 要点が伝わりやすく作成されているか確認し、修正する

  • テキスト・図表を含めてデータ表記のミスはないか、数値が一貫しているか必ず確認します。
  • 英語の間違いやおかしなフレーズ、回りくどい言い方になっている部分を見つけるために音読してみると良いでしょう。
  • 結果セクションは、読者が続く考察・結論セクションの内容を理解・評価する根拠となるデータを提供するセクションです。序論や方法論など前のセクションの内容と照らし合わせて、過不足がないか、論理的に一貫していない部分はないか注意深く確認します。
  • できれば投稿前に担当教授や共同研究者、専門家に読んでもらい、第三者の目からも理解しやすいかアドバイスを受けると良いでしょう。

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