研究発表でのQ&Aセッション対処法

学術情報

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

ゼミの文献発表や研究の中間発表に始まり、学会発表や卒業論文審査など、研究者は日常で大小のプレゼンテーションの機会を数多く経験します。国際学会の場合は、準備した原稿に基づいてプレゼンテーションするのは良いけれども、質疑応答の段階になると、慣れない英語を聞き取って受け答えをする難易度の高さに頭が真っ白になってしまう、という方も少なくないはずです。

研究者として適切な受け答えをしなくてはならないのに、つい焦ってしどろもどろになってしまう、決まり文句が思い浮かばない…そんなピンチを回避するために、本日はQnAセッションの英語での受け答えについて、基本的な流れと例文を紹介していきます。なお、今回の内容はPDF形式でチートシートにまとめてありますのでぜひご活用ください。

 

qasession

チートシートの例。記事右上のPDFリンクよりダウンロードいただけます。

Q&Aセッションの段階別対応方法

どれだけ優秀な研究者にとっても、研究発表において最も難易度が高いと感じるのは、フロアからの質問に答えることでしょう。同分野の研究者から挙がる鋭い質問は、研究を進めていくにあたって確かに有益ですが、その内容が高度になればなるほど、回答内容も高度なものが求められます。質疑応答セッションでは、回答に困ってしまうと言う問題の他にも、質問者とのコミュニケーションの食い違いや情報不足、質問内容がつかめない、質問者の声が聞き取りにくい、など様々な状況的困難があるとともに、的外れと思われる質問や、揚げ足を取ろうとしているような質問への対応も求められるため、研究者は実に様々なストレスにさらされます。

もちろんランダムな質問はあるとしても、研究発表での質疑応答セクションにスムーズに対処するためにあらかじめ備えておく方法はあります。下記では、質疑応答セクションで予想される質問とその対処について、定型文形式で例文を紹介しています。それぞれの状況での英語フレーズを覚えておき、プレゼンテーションでは緊張せず回答内容に集中しましょう。

プレゼンテーションの前に

突発的な状況には誰もが緊張してしまうものです。プレゼンテーション前の準備は万全にしておくことが、スムーズな進行に繋がります。

予想される質問をリストアップしてみる

自分が聴衆だったとしたら、どんなことを質問するでしょうか?自分でも正直なところロジックが弱いのではないか、プレゼンテーションでの情報を元に判断すると誤解する可能性があるのではないか、などと思いあたる部分があるなら要注意です。セクション毎に出てきそうな質問をリストアップしてみましょう。

予想した質問を、答えられる質問と答えられない(答えたくない)質問に分類する

質問リストを、答えられる質問・答えられない質問(プレゼンテーションの場では答えたくない場合も含む)に分け、それぞれどのように答えるか考えておきます。

質疑応答のシミュレーションをしてみる

リストアップした質問を少しずつ変えて質問される場面を想定し、どのように答えるか声に出して演じてみましょう。大げさに感じるかもしれませんが、人前に立つと極度に緊張してしまうタイプならば、このような練習を重ねておくことがプレゼンテーション成功の秘訣です。

Q&Aセッションの進行

Step 1: これから質疑応答セッションを始めることを告げる

例:“I will now answer any questions you have about this research. Please speak slowly and clearly.”

Step 2: 質問内容を正確に理解する

的外れな回答をして質問者とのコミュニケーションが行き違ってしまう原因は、初めに質問内容を正確に把握できていないところにあります。あやふやなまま回答しようとせず、以下の例文を参考に落ち着いて聞き直し、質問の内容と意図をしっかり理解しましょう。

状況 例文
質問がよく聞こえなかった場合 “Sorry, I didn’t catch all of that.”“Could you repeat your question, please?”
質問の意図が分からなかった場合 “I’m afraid I don’t understand.”“Could you please rephrase the question?”
質問の一部が定かでない場合 “I don’t quite understand…”“Are you asking about (the 1995 study)?”“Are you referring to (the peptides discussed in Figure 2.3)?”“Do you mean (the patients in the placebo group) ?”“Could you be more specific?”
質問を聞き直しても理解できない場合 “I’m sorry. I still don’t understand your question.”“Could I come back to you later?”“Could you please talk to me after the session?”

Step 3: 質問に答える

3-a. まずは感謝のコメントから

プレゼンテーションの内容を熱心に聞いていなければ、クリティカルな質問もできないはずです。まずは、研究に興味を持って質問してくれたことへの感謝の気持ちを、挨拶として述べましょう。

質問者への感謝を述べる例文
“That’s a great question. Thank you for asking.”
“I appreciate your question and am happy to answer it.”
“What a thoughtful question! I’m glad you asked.”
“What an interesting question! I’ll do my best to answer.”

3-b. 正確に回答を述べる

回答の内容は様々ですが、その内容を引き出すための決まり文句はあります。以下で質問に答えられる場合・答えられない場合に分けて例文を紹介していますので、ご参考ください。

答えられない場合

状況 例文
質問の答えが分からない場合 “I’m sorry. I’m afraid I don’t know the answer to that question.”“I will look into that and follow up with you.”“I can’t answer now, but I will try to find out more about this.”
その場で質問に答えたくない場合 “I’m sorry–could we discuss this issue after the session?”“I’d rather discuss this issue privately please.”
質問に答えるための情報が不十分な場合  “We aren’t aware of any details at this time.”“We don’t have information about this yet.”
後続研究・実験が必要な場合 “We are awaiting further research on this issue.”“We need to do more studies to answer this.”
  • 質問と返答の例
状況 質問例 返答例
質問の答えが分からない場合 “What about the data collected between 1994 and 1997?” “I’m sorry. I’m afraid I don’t know the answer to that question.”
その場で質問に答えたくない場合 “When is the latest version of this study going to be published?” “I’d rather discuss this issue privately, please.”
質問に答えるための情報が不十分な場合  “What are the findings of other state hospitals on this issue?”  “We don’t have information about this yet.”“We are awaiting further research on this.”

質問には答えられるが、少々時間をもらいたい場合

返答を整理する時間が必要だったり、質問内容について聞き直したい場合

状況 例文
考える時間が必要な場合 [*Repeat the whole question or part of it]“Please give me a moment to think about this question.”“Just one moment—I need to consider my answer.”
質問に関してより詳しい情報が必要な場合 “Just so I understand…”“Are you referring to (the methods of analysis or to the experiment)?“Do you mean (the Smith study from 2014)?“What information are you referring to exactly?”
  • 質問と返答の例
状況 質問例 返答例
考える時間が必要な場合 “Were all sample groups in the study in the same cohort?” “In the same cohort? Please give me a moment to think about this question.”
質問に関してより詳しい情報が必要な場合 “What about the data collected between 1994 and 1997?” “The data collected between 1994 and 1997? Which data are you referring to exactly?”

セクション別の内容に対する質問

研究の意義といった包括的な質問だけでなく、セクションの特定部分に関する質問が出る場合もあります。

研究方法

質問・コメント 返答例
“Have you used this approach?” “No, but thank you for your input. We will look into this.”“We considered this approach. But there were some problems.”
“Why did you use this method of analysis?” “There were several reasons for this. First…”“We found several other methods to be problematic.”“We have explained our rational fully in the paper.”
“What limitations to the study did you identity?” “We didn’t identify any specific limitations.”“We did identify a couple of limitations. These include…”

結果・結論・考察・応用性

質問・コメント 返答例
“Could you elaborate on the results of X?” “Yes. What results would you like to know about?”“I’m afraid I can’t say more about the findings now.”
“What are the implications of these findings?” “Most importantly, these findings imply that…”“There are several implications here. First…”“I’m afraid I can’t say more about the implications now.”
“Could this study impact any other related areas of research?”  “These results might impact areas of (medicine/patient care/administration, etc.).”“We need more information to answer this question.”“Our conclusions are limited to this area of research.”

内容の確認・視覚的資料のついての説明

状況 質問例 返答例
プレゼンテーション内容を振り返る “Could you repeat what methods of analysis you used?” “As I mentioned earlier…”“Let’s look at this slide again…”“Yes. Looking at slide 34…”
視覚的資料について言及 “Are the data in Figure 4 representative of all sample groups?”“What is being measured in Table 2.2?” “Let’s take a look at this figure again.”“As you can see in this chart/graph/figure…”“Let me explain this figure again.”

Q&Aセッション進行のコツ

研究そのものや研究者に対する印象は、研究内容だけでなく話し手の表情や声のトーン、言葉使いなどからも大きな影響を受けます。和やかで有意義な質疑応答セッションとするために、以下のようなことにも気を付けてみましょう。

  1. 姿勢良くまっすぐ立つ — 自信を持って胸を張りましょう。
  2. 親しみやすく朗らかなトーンを心がける — 笑顔と礼儀正しい言葉使いでリラックスした雰囲気を作ります。
  3. 慌てず自分のペースで話す — 質疑応答をするときには焦らず、質問内容をしっかりと理解する余裕を持って、落ち着いて話しましょう。
  4. スライドで連絡先を紹介するのを忘れずに — 質疑応答セッションの終了後にも聴衆から個別の質問を受け取れるようにします。

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