2016年11月18日

英語論文のジャーナル受理率を上げるための3つの要素

Wordvice

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

研究者の皆さまの研究結果は、論文という形で世に出て初めてその真価を発揮すると言えます。研究者の能力は何といってもインパクトファクターの高いジャーナルへの論文掲載数で評価される面が大きい分、研究者の皆さまにとって論文受理率の向上という課題は日々の研究生活の中でも大きな比重を占めるものと思います。

今回は、論文の各セクションの完成度や適切なジャーナルの選択といった具体的な問題以前に、論文投稿における基本的な心掛けを見直す趣旨で作成された記事です。

論文の受理率を上げるためには?

論文の受理率向上という面から考えたとき、まずすべきことはジャーナルの編集者が掲載を求める論文と掲載拒否する論文の基準が何かを把握することです。Elsevier Connectは様々なジャーナルのエディターを対象に論文の評価基準について調査し、次の二つの結果を発表しました。: “Eight reasons I accepted your article“、”Eight reasons I rejected your article“。これを元に、今回の記事では論文の投稿成功確率を上げる方法について、次の3つの観点から探ってみたいと思います。

1. Technical Aspects (テクニック): ガイドラインを遵守せよ

  • 各出版社は論文投稿に関するガイドラインを明示しています。よって、この基本的なガイドラインさえ守られていない論文に対しては、その時点でrejectの判断が下りる可能性があります。投稿前に規定事項のチェックリストを使いながら慎重に見直すことが重要です。

Tip: 論文のフォーマットが各投稿ジャーナルの基準に合っているか、投稿前に必ず見直すこと。

  • ジャーナルはそれぞれ決まったテーマと目的を持っています。投稿するジャーナルのテーマを的確に把握し、本人の研究がターゲットジャーナルのカバーする範囲と一致しているかどうか確認しましょう。始めから特定ジャーナルへの投稿を目的に論文を作成するのも手です。

Tip: 初稿段階で投稿するジャーナルを決めておくのが望ましい。そうすることで、始めから論文を特定ジャーナルの性格に合わせて作成することができる。

  • ジャーナルのエディターやその読者である研究者は、何よりも分かりやすい構成と伝わりやすい英語で書かれた論文を好みます。英語が母語でない場合、または母語であっても論文を何度も読み返し、第三者からのレビューを受けながらミスがないか点検することが必要です。

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2. Methodology (方法): 完成度を向上させよ

  • 論文の内容の完成度が足りないために掲載を拒否されることももちろんあります。例えば、投稿する論文を一つの研究プロジェクト全体をカバーする内容にしたいのか、それとも研究の中で得た一部の発見事項についてフォーカスした内容にしたいのかはっきりさせていないがために、不十分な印象を与えてしまう場合もあります。研究自体の質は十分でも、記述の仕方次第で編集者や読者にその真価が伝わらないまま終わってしまうこともあるということです。初見の読者が読んでも無理なく理解できるような、親切な記述を心がけましょう。

Tip: 論文が該当分野における最新の発見について取り扱っていること、また研究課題や背景知識について十分理解したうえで進行された研究であることを言葉にして示すことが重要。

  • 掲載拒否される理由の一つに、誤った実験方法があります。一般的な手順とは異なる方法を採用した場合は、他の研究者がそれを見て再現可能かどうかを念頭に置きながら、使用した方法についても丁寧に説明する必要があります。
  • 最後に、データがきちんと結論に導いているか確認しましょう。
  • 1番のテクニック面で述べた内容と同様に、研究で使用している方法がその研究にとって適切だったか、また、細部まで研究者のコントロールが行き届いていたか見直す必要もあります。

3. Issue Framing(イシューの構想): 適切な問題提起をせよ

投稿前に論文を修正するとき、最も難しい部分が「イシューの構想」と言えます。他の二つの「技術面」や「方法論」とは違って構想は曖昧で分かりにくい概念ですが、何を意味するのでしょうか?

Elsevier Connectの調査によると、ジャーナルのエディターは「重要なイシューに関する洞察力を提供」し、「意思を決定する者にとって有用」な論文を好むといいます。どういうことでしょうか?

  • これはパラダイムに挑戦したり、新しい理論を発表するような画期的な研究のことだけを意味するわけではありません。もちろんそのような結果を生み出せるならばそれに越したことはないですが、新しい理論を創出することは非常に困難なことです。それよりも、エディターは論文のpractical application (実用における活用)可能性を高く評価しているのです。 (例: 多くの人々に影響を与え得る研究か?組織や社会単位で、人々の意思決定に影響を与え得るか?)

Tip: タイトルと抄録を作成するとき、「この研究が実世界でどのように役立つか?」という問いを常に頭の隅に置いておくこと。論文のresult や discussionセクションはまさにこの問いの答えとなる内容を記述するという意識で執筆する。

  • 「構想」について見直すことは、そもそも研究課題の設定や着想が適切だったかという本質的な部分に関わってきます。研究課題に合ったデータを収集できているか?データ分析を通して導き出した結論は論理的か?もしもそうでなかったら、研究を一から組み立て直す必要があります。

これから数週間、論文の初稿を作成する際のポイントを一つ一つ説明していきます。英文校正ワードバイスの記事が皆さんの論文受理率向上のための一助になれば幸いです。

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