こんにちは!英文校正ワードバイスです。 研究者は自身の発見を共有し、同分野にて認められることを目指し、日夜研究と論文執筆に励みます。学術知識は一朝一夕に完成するものではなく、数えきれないほど多くの研究者によって歴史的に積み重ねられてきた知識を前提としたものであるだけに、研究を始める際には、それらの既存知識を十分に参照・理解し、その上で新たな問題を提起し、また一つ新しい知識を積み上げる態度が必要です。このとき、研究の筋書や意義を明確にし、既存知識を十分に参照・理解していることを示すためには、既存の学術知識を、その著者に敬意を持って引用(citation)することが重要です。 しかし、学会で用いられている基礎に則って、正しく資料を引用する方法は、学術研究の初心者にとって容易ではありません。当社ではこれまでも引用(citation)の方法を理解するための記事をいくつかお送りしてきましたが、今回の記事では“et al.”の意味や使用方法などを含み、引用部分での論文著者の表記方法に焦点を当て、引用方式について解説してみたいと思います。 これまでの記事でも強調してきましたが、求められる規則はジャーナルにより異なる場合もあるため、必ず投稿先のジャーナルのガイドラインを先に確認しましょう。 APAスタイル文中引用の基本事項はこちら:APAスタイルでの文中引用方法と書誌情報の表記 論文での引用(citation)の種類 まず引用の基本的理念として、他人の文献を引用する場合には「自分以外の誰が見ても、同じ資料に辿り着けるように」十分な情報を提示することをモットーと考えましょう。 論文では、文末脚注(endnotes)や脚注(footnotes) 、文中引用(in-text citations)など様々な引用方法が使用されていますが、必ず文書の末尾には、論文で触れたすべての参考文献のリスト(reference list)を添付する必要があります。 文中引用(in-text citations): 論文の本文で他の資料を引用することを言います。 文末脚注・脚注(Endnotes & footnotes): 文末脚注・脚注は比較的簡単で、スムーズな論文執筆に役立ちます。本文内で引用部分に番号を振り、ページ下段に文献情報を記入するか(脚注)、論文末尾にある参考文献リストの番号と対応させて引用を示します(文末脚注)。科学論文ではあまり見られませんが、人文学・社会科学分野ではよく用いられる方法です。また、基本的に脚注や文末脚注を使用する場合は、括弧を利用しての文中引用を併用してはいけません。 参考文献リスト(Reference lists): 引用されている文献を一度に確認できるように、論文の最後に添付します。文中引用を上記のどの方法で行ったとしても、末尾の参考文献リストには本文内に記載している文献を含め、すべての資料のリストを作成します。 “et al.”とは? 学術界ではラテン語から来た用語が多く使用されていますが、「Et al.」もそのうちの一つです。「et al.」は「et alii」の縮約系であり、ラテン語で「and others」を意味します。Et al.は学術論文において人名を省略する際に用いられる記号です。“etc.”も同様に使用されていますが、これは“and…

もっと見る