APAスタイルでの文中引用方法と書誌情報の表記

スタイルとフォーマット

apastyle

 

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

本日は、人文学・社会学系の論文にて多く使用されている論文形式であるAPAスタイルの「文中引用」の方法について整理してみました。

In-Text Citation(文中引用)のルール

ジャーナル投稿論文を始め卒業論文や学会論文など、すべての学術論文において既存の文献や資料から文章そのままを引用する場合、あるいは一部のアイデアや方法を引用する場合、必ずその部分に出典を明記するというルールがあります。出典の表記方法はその学会やジャーナルが採用する論文フォーマットや資料の種類、言語によっても異なり、文中で出典を示しているすべての資料に関しては、論文末尾の「参考文献」セクションにそれぞれのスタイルが規定する表記方式に則って明記することが定められています。

APA (American Psychological Association)は社会科学を中心にいくつかの分野で最も頻繁に使用されているスタイルの一つであり、特に文中引用は文系研究のLiteratureセクションや理系研究のIntroductionで使用する機会が非常に多い方法です。以下の内容は、APA Publication Manual, 6th edition, 2nd printingに基づいて文中引用に関する規定事項をまとめたものです。APAは文中引用だけでなく参考文献リスト、記号使用、脚注などについても別途規定しているため注意が必要です。詳しくは、APA Style Manual websiteを参照してみましょう。

APAスタイルでの間接引用の方法

文中引用時の出典表記

APAスタイルの文中引用スタイルは“author-date”方式と言われます。これはその名の通り、引用部分の末尾に括弧書きで(文献・資料の著者の名前, 出版年度)のように表記する方法です。この方法を使用する場合は、「直接引用」と「間接引用」の二つに分かれます。ここでは文献の記述を自分の言葉に置き換えて(パラフレージング)引用する方法=「間接引用」の場合の引用方法を紹介します。APAでは間接引用の場合のページ数表記を必須としていませんが、引用部分が明確な場合には、なるべくページ数を表記するよう奨励しています。

1.本文中で資料のタイトルに言及しながら引用する場合

資料名を指す部分のすぐ後に括弧をして文献著者名と出版年度を表記します。

The results of the first enzyme study (Chen et al., 2014) revealed several relationships.

2.本文中で資料の著者に言及しながら引用する場合

著者名のすぐ後に括弧をして出版年度を表記します。

Chen (2014) discusses several relationships revealed in this study.

※引用文献を紹介するときの動詞時制

APAスタイルでは文献の著者や文献のタイトルを本文中で直接言及しながら引用する場合には、過去形または現在完了形を使用するよう定めています。

Radnitz (1995) found… / Radnitz (1995) has found…

※資料名を表記する位置

「~の研究によると」「~の結果によれば」のように、引用する文献の著者や資料名を文中で直接言及しながら引用する場合は、その文献のタイトルを示す部分や著者名のすぐ後に括弧をして出版年度を表記します。

Klinge and Rogers (2010) found that mirroring is instrumental in developments of performative gender roles.

文中で資料名や著者名について触れずに内容やアイデアのみを引用する場合には、その部分の文章末尾に括弧をして著者名と出版年度を表記します。

Mirroring has been found to be instrumental in the development of performative gender roles (Klinge and Rogers, 2010).

※大文字・小文字

文中引用での作者名はラストネームのみ表記し、必ず最初のアルファベットを大文字表記します。

(Kazinsky, 2014)

 


APAでの直接引用の方法

40語未満の引用

資料・文献中の表記を一字一句違わずそのまま引用することを直接引用と言います。論文で40語以下の短い文章を直接引用をするときには、引用部分をダブルクォーテーションマーク「 “ ” 」で囲み、間接引用の場合と基本的には同様の方法で出典を表記しますが、引用部分の直後に必ずページ数を表記するようにします。(ページ数は「p. 10」のように表記)

1. 引用する文献の著者や資料名を文中で直接言及しながら引用する場合

間接引用の場合と同様に著者名・資料名の後に括弧書きで出版年度を表記し、ダブルクオーテーションマークで囲んだ引用部分の直後には、括弧書きでページ数を表記します。

According to Khan (1976), “Graduate students tend to apply more diverse methods during their first two years of research” (p. 45).

Khan (1976) noted that “graduate students tend to apply more diverse methods during their first two years of research” (p. 45), a fact that has profound implications for research departments.

2. 文中で資料名や著者名について触れずに引用する場合

ダブルクオーテーションマークで囲んだ引用部分の直後に括弧をして著者名、出版年度、ページ数を表記します。

Researchers noted that “graduate students tend to apply more diverse methods during their first two years of research” (Khan, 1976, p. 45), but they did not offer a suggestion as to the cause.

40語以上の引用

40語以上の長い文章を引用する場合には、ダブルクオーテーションマークを使用せず、独立した段落とすることで本文と引用部分を明確に分離します。具体的には、引用部分を本文から改行し、左から0.5in/1.27cmインデントします。ダブルスペースで引用部分を正確にコピー・ペーストしたら、末尾に括弧書きでページ数を表記します。

Khan’s (1976) study found the following:

Graduate students tend to apply more diverse methods during their first two years of research, especially when conducting research in teams of three or fewer with no senior researcherspresent. This tendency could be attributed to either a misunderstanding of correct methodology or to a feeling of freedom to explore different approaches that the researchers have yet to employ. (p. 45)

 


引用を導くのによく使用されるフレーズ

  • According to Johnson (publication year)…
  • As Johnson (publication year) has noted…
  • Johnson and Smith (publication year) contend that…
  • As Johnson’s (2011) study revealed…

引用する文献の著者が複数の場合

著者が二人以上の文献を文中引用する場合には、著者の数や、本文で初めて引用する場合・二度目からの引用の場合によって下のようなルールが定められているので十分注意します。

著者の数

初めての間接引用

二回目からの間接引用

初めての直接引用

二回目からの直接引用

2 (Beardsley & Swann, 2003) (Beardsley & Swann, 2003) (Beardsley & Swann, 2003, p. 90) (Beardsley & Swann, 2003, p. 90)
3-5 (Beardsley, Daniels, Choi, & Swann, 2003) (Beardsley et al., 2003) (Beardsley, Daniels, Choi, & Swann, 2003, p. 90) (Beardsley et al., 2003, p. 90)
6 or more (Beardsley et al., 2003) (Beardsley et al., 2003) (Beardsley et al., 2003, p. 90) (Beardsley et al., 2003, p. 90)

複数の資料を一か所で引用したい場合

「~については複数の研究結果がこれを支持している(資料1; 資料2; …)」のように、一か所に複数の文献を引用したい場合には、セミコロンを使用して出典情報を分離します。資料の順番は著者名のアルファベット順とし、著者がいない文献の場合には、文献タイトルのアルファベット順とします。これは参考文献での資料表記順を決めるルールと同様です。

(Marsh, 1997; Johnson, 2002).

(Kazinsky, 2017; “Three Different Roads,”  2013).

同じ著者によって同じ年に出版された文献を引用する場合

同じ著者の同じ年度の出版された論文を二つ以上引用する際には、タイトルのアルファベット順で年度の次にa, b, cなどのアルファベットをつけることで区別します。これは参考文献表記でも同様に使用します。

The incidence of West Nile virus in Florida increased between 2002 and 2004 (Dickens, 2014a). According to Dickens (2014b), “these viral infections were precipitated by record levels of rainfall around the peninsula” (p. 150).

文献に引用されている文献を引用する場合(孫引き)

参照した文献において他の文献から引用されている部分は“secondary source”と呼ばれ、これをさらに引用することを孫引きと言います。この方法は基本的に推奨されておらず、できる限り元の文献を参照することが求められますが、どうしても孫引きする必要がある場合には参考文献に元の資料を必ず表記し、文中引用では“as cited in”というフレーズを文献著者名の後に追加します。例として、Franklinによるレビュー論文内で引用されているAdamsの文献部分から有用な記述を発見した場合、以下のような表記をすることで孫引きであることを示します。

According to a study by Adams (as cited in Franklin, 2016), 25% of all US federal prisoners have been diagnosed with some form of social disorder. Adams (as cited in Franklin) contends that this statistic “reflects the de-humanizing conditions of most federal institutions” (p. 76).

ウェブページの引用

ウェブサイト全体の引用

特定の記事やページではなくサイト全体を引用したい場合、サイトのタイトルとアドレスを文中に表記します。この場合、参考文献リストへの表記は必要ありません。

The American Psychological Association includes detailed information on how to apply APA citation (http://www.apa.org).

特定の著者がいるウェブページの引用

ウェブサイト内の著者がいる記事や記述を引用する場合には、文献引用と同様に著者名と公開・作成年度を記します。

There were 523 new cases reported in 2011 alone (Kristoff, 2012).

特定の団体によって記述・作成されたウェブページの引用

複数人による団体が著者となっている場合は個人の場合と同様に扱い、著者部分に団体名を記述し、公開・作成年度を記します。

Claustrophobia afflicts one in five Britons (The Surrey Group, 2003).

不明な情報を含むウェブページの引用

ウェブサイトの著者や発表年度、タイトル等の重要な情報が不明な場合でも引用として表記することができます。この場合の書誌情報表記についてはこちらのページを参照してください:Missing Pieces

SNSの引用

SNSからの引用方法は、こちらのページを参照してください:How to Cite Social Media in APA Style.

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