2023年10月02日

アカデミックポスト応募用の英文レジュメ(CV)の書き方

Wordvice

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

海外留学や就職を考える場合には英文履歴書が必須ですが、アカデミックポストへの応募を前提とした履歴書の場合にはその内容の方向性が少し異なります。本日はそのように、海外のアカデミックポストの採用やポスドクなど、大学や学術機関に提出するための英文レジュメ(CV)の書き方を解説していきます。

Academic CV (Curriculum Vitae)とは?

Academic CV(curriculum vitae)とは、これまでの教育課程や学問的な経歴、受賞歴などについて2-3ページでまとめた履歴書のことを言います。研究者としてのアカデミア就職を希望する場合の履歴書では、そのポストに必要とされる資格を満たしていることを証明できる学歴や業績、成果に重点を置き、場合によっては関連する職業経験も記載します。下のサンプルを見てみましょう。

ここで上の雛型をコピーしてしまう前に!まずは履歴書を作成する上で知るべき情報は何か考えてみましょう。

  • 一般的な英文履歴書の構成
  • 効果的なアピール方法

Academic CVの必須記載事項

英文履歴書は確かに事実を箇条書きで並べた書類ではありますが、項目の構成を考えるにあたっては自己紹介のストーリーとして考えてみると分かりやすいでしょう。履歴書では重要な事柄、また最新の事柄から先に、後は時系列に従って述べていきます。過去の事柄ほど上に配置される日本の履歴書とは異なるので十分に注意しましょう。ここからは、基本的に一般的な履歴書に共通して含まれる必須項目と、提出先の規定などによって選択的に記載される内容との二つに分け、アカデミック用履歴書の内容を紹介します。

必須事項

  • 基本プロフィール(名前・連絡先など)
  • 学歴
  • ポジションに関連する経験
  • 出版リスト
  • 学会発表
  • 受賞歴
  • 推薦人(References)

選択事項

  • プロフィール要約(Summary)・Personal Statement
  • 専門的なスキル
  • 所属学会・団体
  • 公共活動(Community Involvement)

英文レジュメの項目解説

英文履歴書は目的に応じて記入事項は変わりますが、基本構成は決まっています。以下で項目別の書き方を解説していきます。

基本情報

プロフィールとして、名前(フルネーム)・自宅住所・電話番号・Eメールアドレスを記入するのが基本です。これらの情報は1枚目の上部中央または左揃えで配置します。

  • Tip: 本文より大きめのフォントを使用し、太字に設定します。

プロフィール要約・パーソナルステートメント(選択)

1-2文で記述式の短いプロフィール要約(Profile Summary)が求められる場合もあります。

  • Tip: 主要なスキルと経験、キャリア・アカデミック目標について重要な情報のみに絞り込み、簡潔に述べます。

学歴(必須)

アカデミックCVにおいて学歴はもちろん必須事項です。直近の取得学位(または在学中)の経歴から上に書き、時系列に沿って学位を記述していきます。大卒以上の場合は基本的に大学以降の学歴のみを書き、高校や中学まで遡ることはしません。

  • 基本的に学校の正式名称・所在都市・都道府県(州)・国、取得した学位と専攻、学位取得(予定)年月を書く
  • 卒業論文のタイトルや指導教員を書いても良い
  • Tip: 直近の経歴であるほど詳しく、古い経歴であるほど簡略に書くようにします。

関連する経歴(必須)

志望するポジションと関連する経歴をリストアップします。アカデミア以外での職業経験でも希望ポジションと関連する場合はこれに含めます。経験が多く雑多な印象を与える場合には、カテゴリ(“Research,” “Teaching,” and “Managerial”など)を分けて整理するようにします。

  • 役職名、会社(機関)名、所在都市、都道府県、国、在職期間を書く
  • 主要な業務内容や成果を箇条書きする
  • Tip: 強い動詞(strong verbs)を使って能動態で書くようにし、完全文ではなく動詞から始まるフレーズ文にします。効果的なアピールになるよう語彙を工夫しましょう。

専門スキル(選択)

志望するポジションで生かすことのできる自分の強みや関連するスキルについて書きます。スキルに関しては通常経歴部分に含まれますが、研究・実験を進める上でのコンピュータの運用能力や統計分析プログラムの使用能力、外国語能力などは別のセクションとしてまとめて記述することもできます。募集ポジションに求められる能力に応じて追加を考慮しましょう。

出版リスト(必須)

ジャーナル論文や書籍、研究レポート、寄稿などあらゆる自著・共著の出版物について時系列に沿ってリストアップします。(アルファベット順にしないこと)

  • 研究分野で主に使用されている参考文献フォーマットの記述形式に則って書誌情報を表記
  • Tip: 公式的な自著・共著論文や書籍などの出版物を有していない場合、インターネット記事などの小さな寄稿記事や大学の紀要など小さなものでも、バックグラウンドとしてアピールできるものを記入しましょう。

学会発表経歴(必須)

学会発表やポスター発表を含む口頭発表の経験をリストアップします。

  • プレゼンテーションのタイトル、学会または行事の名前、開催地、日付を記載
  • 発表内容を簡単に紹介
  • Tip: 学会発表の記載方法についても論文の参考文献フォーマットのような分野での慣例に従いましょう。

受賞歴(必須)

研究者としてのポジションにアプライする人物は、何かしらの受賞経歴を有する場合がほとんどでしょう。大学の奨学金やグラントの受給経歴、研究補助・TA・フェローシップの経験、Dean’s listなどの成績優秀者表彰などもこれに含まれます。

  • 賞や奨学金の名前、機関名、受給・対象期間を書く。
  • 必ずしも時系列に沿って並べる必要はなく、重要度の高いものから上に記載する。

公的機関・専門機関での経歴(選択)

専門研究機関での勤務経験や研究経験、関連する研究プロジェクトの参加経験を別途にて記載することもできます。

  • Tip: 政府系機関や公共機関、または社会的に名声のある大学や専門の研究機関のプロジェクトに関わった経験は、選考にあたって強力な経歴として扱われます。プロジェクトの一部に関わった経験でも構わないので、記述するようにしましょう。

所属学会・団体(選択)

学会や研究者団体、成績優秀者クラブなど学術的なバックグラウンドと関連する所属団体をリストアップします。

公共活動参加経歴(選択)

地域団体、学校、公的機関、教会、NGOで活動した経験などボランティア経験全般を記述します。これらの経験はコミュニティに貢献できる人間性を備えていることのアピールとなり、研究室のメンバーとして協力してプロジェクトに取り組める人材であることを重要視するポスドクの採用などで、特に重要な部分です。

推薦人(References)(必須)

CVの最後のセクションとして、そのCVに記載されている本人の学問的・社会的バックグラウンドやプロフィールについて外部から証明でき、必要な場合問い合わせることのできる人物の名前と連絡先を3-5人記載します。

  • 推薦人(保証人)の名前、役職、所属機関、連絡先(電話番号とEメールアドレス)を記載。アルファベット順ではなく、関連が深い順・重要度の高い順に並べてよい。

アカデミックポスト応募用英文レジュメの形式上の注意点

英文履歴書は内容の良し悪しはもちろんのこと、「見せ方」も大変重要な要素となる文書です。履歴書に書ける内容は決まっているため、インパクトのあるフレージングやよく整理されていて印象に残りやすいフォーマッティングなど、形式的な側面に特に気を配って作成しましょう。

  • フォーマットの一貫性(ex. インデント、フォント、フォントサイズ、スペース、文法など)に注意する
  • 太字・斜字・下線・大文字表記を効果的に使用してキーワードを強調する
  • 最近の事柄から先に記載する時系列の順序に気を付ける
  • 重要な内容であるほど左上に配置し、日付は右に記載する
  • ページ番号とラストネームをヘッダーまたはフッターに追加する

英文レジュメの提出前に必ず専門家からレビューを受けること

英文レジュメ(cv)は短い分量の中で要点のみを伝達する非常に重要度の高い書類であるだけに、その中で些細なミスが発生していたり、標準的なフォーマットからあまりにもかけ離れた形式となっている場合などは、それだけで応募者の常識が疑われてしまいます。また、箇条書き形式で単語数が少ない分一つ一つの語彙選択の重要度も高いため、誤解がなく、アピールになるフレージングを選択することが重要です。履歴書の提出前には必ず経験豊富なネイティブにレビューを仰ぎ、単純なミスや不自然な文章がないか、補足すべき情報がないかなどチェックしてもらいましょう。

アカデミックポスト応募用の履歴書は、このように通常の履歴書とは少し異なる特徴を持っています。WORDVICEでは数々の履歴書やカバーレターの添削を手掛けてきたネイティブ校正者が、最短9時間から正しく伝わりやすい英語に校正いたします。サイト右上の「お見積り・ご注文」から願書・履歴書校正を選択してお見積りください。

Wordviceの関連資料

その他参考資料

ビジネス文書英文校正アドミッション書類日英翻訳よくある質問サービスご利用案内お役立ち情報

英文校正・日英翻訳ならワードバイスをご利用ください!
リソース記事 | 学術論文英文校正 | 学術論日英翻訳 |大学課題添削サービス料金よくある質問

留学願書英文校正サービス